投稿日

2026.07.23

耐震等級3とは?建築基準法の1.5倍に耐える最高等級

耐震等級3とは、住宅の耐震性能を示す3段階の指標のうち最高ランクで、建築基準法が定める最低限の耐震性(耐震等級1)の1.5倍の地震力に耐えられる強度を持つことを示します。消防署や警察署など、災害時の拠点となる建物と同じ水準です。

耐震等級は、国の制度である「住宅性能表示制度」で定められた区分です。等級ごとの目安は次の通りです。

等級 強さの目安 想定される状態
耐震等級1 建築基準法の最低基準 震度6強〜7の地震で倒壊・崩壊しない。ただし損傷し、住み続けられない可能性がある
耐震等級2 等級1の1.25倍 学校や避難所として指定される建物と同水準
耐震等級3 等級1の1.5倍 消防署・警察署など防災拠点と同水準。地震後も住み続けられる可能性が高い

ここで押さえておきたいのは、「倒壊しない」と「住み続けられる」はまったく別だということです。建築基準法が守っているのは前者、つまり命を守る最低ラインです。地震のあとも家族がその家で暮らし続けられるかどうかまでは、法律は保証していません。

2016年の熊本地震では、震度7が2回続けて発生しました。国土交通省の建築物被害調査によると、木造建築物のうち耐震等級3の住宅は大きな損傷を免れたものが多かったと報告されています。「一度耐えれば終わり」ではない地震に対して、余力を持たせる意味が、等級3にはあります。

同じ「耐震等級3」でも中身は違う|3つの構造計算方法

ここが、多くの方が知らないまま家づくりを進めてしまうポイントです。耐震等級3を取得する方法は1つではなく、木造住宅では主に3つの計算方法があり、それぞれ検証の精度が大きく異なります。

計算方法 精度 内容
壁量計算(仕様規定) 簡易 床面積に応じて必要な壁の量を算出する簡易な方法。図面上のチェックが中心で、部材一本ごとの検証は行わない
性能表示計算 中間 品確法に基づく計算。壁量計算より詳細で、床倍率や横架材の検討も加わる
許容応力度計算 最も詳細 柱・梁・基礎・接合部など、一つひとつの部材にかかる力を計算し、材料が耐えられる限界(許容応力度)と比較して安全性を検証する

つまり、広告に「耐震等級3」と書かれていても、その根拠が壁量計算なのか許容応力度計算なのかで、検証の深さはまったく違います。どちらも制度上は「耐震等級3」と名乗れてしまうため、住まい手側からは見分けがつきにくいのが実情です。

許容応力度計算では何を確認するのか

  • 柱や梁が、建物の重さと地震の力に耐えられるか(部材ごとに検証)
  • 基礎の配筋やサイズが、その建物の荷重に対して適切か
  • 柱と梁をつなぐ金物の耐力が足りているか
  • 床や屋根の面が、地震の力を壁に正しく伝えられる硬さを持っているか
  • 建物の重さの偏り(偏心)が、ねじれを起こさない範囲に収まっているか

間取りが同じでも、屋根材の重さ、窓の大きさ、吹き抜けの有無で、必要な構造は一棟ごとに変わります。だからこそ、一棟ごとの計算が必要になります。

クラフティアが全棟で許容応力度計算を行う理由

クラフティアでは、法律上の義務がない場合でも、すべての住宅で許容応力度計算による構造計算を実施しています。「耐震等級3相当」ではなく、一棟ごとに数値で検証した耐震等級3をお引き渡ししたいと考えているためです。

理由は3つあります。

1. 完全自由設計だからこそ、一棟ごとの検証が要る

私たちは建築家とともにつくる完全自由設計を標準としています。大きな窓、勾配天井、吹き抜け、ガレージ——暮らしを豊かにする設計ほど、構造的には難しくなります。「やめておきましょう」で終わらせず、どうすれば安全に実現できるかを構造から検討するために、詳細な計算が欠かせません。

2. 「見えなくなる部分」ほど、あとから直せない

断熱材や仕上げ材は、将来リフォームで変えられます。しかし構造軠体は、住み始めたあとに手を入れるのが最も難しい部分です。完成すれば見えなくなり、住まい手が自分で確かめることもできません。だからこそ、数値と第三者機関の検査で担保する必要があると考えています。

3. 岡山も「地震が来ない土地」ではない

岡山県は地震が比較的少ない地域として知られていますが、南海トラフ巨大地震では県内でも強い揺れが想定されており、玉野市を含む沿岸部では津波の想定区域も公表されています。最新の想定震度や浸水想定は、岡山県および玉野市が公開しているハザードマップでご確認いただけます。土地探しの段階から一緒に確認させていただいています。

あわせて、クラフティアは耐震等級3に加えて耐風等級も最高レベルに対応しています。500年に一度程度の暴風の1.2倍の力でも倒壊しない強さで、台風の通り道になりやすい瀬戸内でも安心して暮らしていただけます。

2025年の法改正で、木造住宅の構造チェックはこう変わった

2025年4月、建築基準法の改正により「4号特例」が縮小されました。これまで多くの木造2階建て住宅で省略できていた構造関係の図書の提出が、原則として必要になっています。

従来は、建築士が設計する一定規模以下の木造2階建て住宅について、確認申請時の構造審査が省略されていました。設計者が責任を持って検討する前提の制度でしたが、審査を受けないぶん、実態が外から見えにくいという課題もありました。

改正のポイントは大きく2つです。

  • 審査省略の対象が縮小:これまで審査が省略されていた木造2階建て住宅の多くが、構造関係規定の審査対象になりました
  • 省エネ基準の適合が義務化:原則すべての新築住宅で省エネ基準への適合が必要になり、断熱性能の確保も法的な要件になりました

この改正は、住まい手にとっては安心が一段増える変化です。一方で、住宅の重量は断熱材や太陽光発電の搭載によって以前より重くなる傾向にあり、構造計算の重要性はむしろ高まっています。制度が変わったから始めるのではなく、私たちは以前から全棟で許容応力度計算を続けてきました。

※ 制度の詳細や適用範囲は今後も変更される可能性があります。最新の内容は国土交通省の公表資料をご確認ください。

岡山・玉野で耐震性能を考えるときの3つの視点

視点1|土地の状態から確認する

どれだけ丈夫な建物でも、地盤が弱ければ本来の性能は発揮できません。玉野市や岡山県南部は、干拓地・埋立地・造成地など地盤の成り立ちが場所によって大きく異なります。クラフティアでは土地探しの段階から建築の視点で伴走し、地盤調査の結果に応じた適切な地盤改良と、地盤保証をご用意しています。

視点2|「相当」ではなく「取得」か、計算方法は何かを聞く

工務店やハウスメーカーを比較するとき、次の3つを聞いてみてください。答え方に、その会社の構造への姿勢が表れます。

  • 耐震等級3は「相当」ですか、「取得」ですか
  • 構造計算の方法は、壁量計算・性能表示計算・許容応力度計算のどれですか
  • 全棟で実施していますか、オプションですか

視点3|第三者の目が入っているか

自社検査だけでなく、第三者機関の検査が工程ごとに入っているかどうかも大切な判断材料です。クラフティアでは、大工出身の代表がすべての現場を自ら確認したうえで、自社検査と第三者機関の検査を併用しています。完成後は見えなくなる部分こそ、複数の目で確認する必要があると考えているからです。

よくある質問

Q. 耐震等級3にすると建築費はどのくらい上がりますか?

A. 構造材や金物、基礎の仕様が変わるため、等級1と比べると一定のコストアップが生じます。ただし、耐震等級3を取得すると地震保険料が50%割引になる制度があり、長期にわたって保険料の負担が軽くなります。長く住むほど差が縮まる投資だとお考えください。具体的な金額はプランによって変わりますので、資金計画とあわせてご相談ください。

Q. 「耐震等級3相当」と書かれていました。等級3とは違うのですか?

A. 「相当」は、住宅性能評価機関による正式な評価を受けていないことを意味します。設計上の配慮はされていても、第三者の評価書は発行されません。地震保険の割引を受ける際には、原則として評価書などの証明書類が必要になります。

Q. 平屋なら地震に強いので、構造計算は不要ですか?

A. 平屋は重心が低く2階建てより有利な面がありますが、大きな窓や広いLDKなど開放的な設計をするほど、壁の配置バランスが重要になります。平屋であっても、一棟ごとの構造検証は必要です。

Q. 高気密・高断熱と耐震性能は両立できますか?

A. 両立できます。ただし断熱材や設備が増えるぶん建物は重くなり、地震時に建物にかかる力も大きくなります。だからこそ、性能を追求する住宅ほど詳細な構造計算が必要です。クラフティアはUA値0.49以下・C値0.5以下と耐震等級3を、標準仕様として両立しています。

まとめ|数値で確かめられる安心を

耐震等級3は、いまや珍しい仕様ではなくなりました。だからこそ大切なのは、その等級3が何によって裏づけられているかです。

  • 耐震等級3は、建築基準法の1.5倍の地震力に耐える最高等級
  • 取得方法には壁量計算・性能表示計算・許容応力度計算があり、検証の精度が異なる
  • 許容応力度計算は、部材一本ごとに力を計算する最も詳細な方法
  • 2025年4月の法改正で、木造2階建て住宅の構造審査が原則必要になった
  • 建物の性能に加えて、土地の地盤と第三者検査まで含めて考える

クラフティアは、岡山・玉野で30年以上家づくりを続けてきたシモミ建設の新ブランドです。大工出身の代表が現場に立ち、全棟で許容応力度計算による耐震等級3と、全棟気密測定によるC値0.5以下を標準仕様としています。

「わが家の土地なら、どんな構造になるのか」——具体的な話ほど、図面を前にした方が早く進みます。無料個別相談で、土地の地盤の話から一緒に確認させてください。