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2026.07.23
高気密・高断熱住宅のデメリットと言われる5つのこと
高気密・高断熱住宅のデメリットとしてよく挙げられるのは、①換気不足による空気のこもり、②冬の乾燥、③初期コストの増加、④石油ストーブなど開放型暖房器具が使えない、⑤施工品質による性能のばらつき、の5つです。ただし①〜④は設計と設備で解決でき、最も本質的な課題は⑤です。
一つずつ見ていきます。
| 言われるデメリット | 実際のところ |
|---|---|
| ①空気がこもる・息苦しい | 気密が高いほど、計画換気が正しく機能する。むしろ換気が「効く」家になる |
| ②冬に乾燥する | 室温が上がるぶん相対湿度は下がる。全熱交換型換気なら湿度も回収でき、緩和できる |
| ③初期コストが上がる | 断熱材・サッシ・換気設備のコストは上がるが、光熱費で回収していく設計が可能 |
| ④開放型ストーブが使えない | 事実。ただしエアコン1〜2台で家全体を賄えるため、そもそも必要性が下がる |
| ⑤施工品質でばらつく | 本当の課題はここ。設計値ではなく、実測しないと分からない |
①〜④は、正しい知識で設計すれば避けられるものです。問題は⑤——「高気密・高断熱です」と説明された家が、本当にその性能になっているかどうかは、完成してからでは目で見て確かめられないという点です。
C値・UA値とは?数字の意味を3分で
住宅性能を比べるとき、必ず出てくるのがこの2つの数値です。どちらも「小さいほど高性能」という点だけ覚えておけば、話はぐっと分かりやすくなります。
UA値とは(外皮平均熱貫流率)
UA値とは、家の内部の熱がどれだけ外へ逃げやすいかを示す指標です。単位はW/(㎡・K)で、数値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いことを意味します。屋根・壁・床・窓など、外気に接するすべての部分から逃げる熱を合計し、外皮面積で割って算出します。
日本は地域ごとに1〜8の区分に分かれており、玉野市をはじめとする岡山県南部の多くは6地域に該当します(県内でも山間部などは区分が異なります)。6地域の目安は次の通りです。
| 基準 | UA値の目安(6地域) | 位置づけ |
|---|---|---|
| 省エネ基準(断熱等級4) | 0.87以下 | 2025年4月から新築住宅で適合義務 |
| ZEH基準(断熱等級5) | 0.60以下 | ZEH(ゼロエネルギー住宅)の要件 |
| HEAT20 G2(断熱等級6) | 0.46以下 | 暖房負荷を大きく削減できる水準 |
| クラフティア標準 | 0.49以下 | ZEH基準を大きく上回る水準 |
C値とは(相当隙間面積)
C値とは、家全体にどれだけ隙間があるかを示す指標です。単位はc㎡/㎡で、建物の隙間の合計面積を延床面積で割って算出します。数値が小さいほど隙間が少なく、気密性能が高いことを意味します。
ここが重要なのですが、C値は現行の省エネ基準に規定がありません。つまり法律上、気密性能を確保する義務も、測る義務もないのです。一般に1.0以下であれば高気密とされ、0.5以下は上位の水準にあたります。
UA値とC値、どちらが大事か
結論から言えば、両方そろって初めて意味を持ちます。どれだけ厚い断熱材を入れても、隙間だらけであれば熱は隙間から出入りしてしまう。真冬にダウンジャケットを着ていても、前を開けていたら寒いのと同じです。さらに、隙間があると計画換気が設計通りに働かず、換気設備も本来の力を発揮できません。
岡山(6地域)の気候で、本当に必要な性能はどのくらいか
「岡山は温暖だから、そこまでの断熱はいらないのでは」——よくいただくご質問です。
たしかに岡山県は「晴れの国」と呼ばれるほど日照に恵まれ、年間降水量が少ない温暖な瀬戸内式気候です。ただし、住まいの快適性という観点では、次の2点を見落とせません。
- 夏の暑さが厳しい:内陸部を中心に真夏日・猛暑日が続き、瀬戸内特有の風の弱さで熱がこもりやすい。断熱は「冬のため」だけではなく、夏の冷房負荷を抑えるためにも効きます
- 冬の朝晚はしっかり冷える:温暖と言われる地域でも、明け方の冷え込みは相応にあります。断熱性能が低い家では、廊下・洗面所・トイレとの温度差が大きくなります
温度差が引き起こすこと
暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動したときの急激な温度変化は、血圧の急変を招くことがあります。いわゆるヒートショックです。厚生労働省の人口動態統計では、家庭の浴槽内での不慮の溣死・溣水による死亡者数は年間5,000人前後で推移しており、冬季に多い傾向が示されています。断熱・気密性能は、光熱費だけでなく家の中の温度差を小さくするためのものでもあります。
光熱費という現実的な理由
電気料金は近年上昇傾向が続いています。断熱・気密性能への投資は、住み始めてから毎月効いてくる固定費の削減です。家は35年ローンで買っても、光熱費は住み続ける限りかかり続けます。「いくらで建てるか」ではなく「いくらなら無理なく暮らせるか」——クラフティアが資金計画を最初にご一緒する理由も、ここにあります。
なお、UA値はご予算に応じて柔軟に調整することも可能です。性能を上げることが目的ではなく、ご家族の暮らしに合った落としどころを一緒に探します。
デメリットのほとんどは「換気」と「実測」で解決できる
「空気がこもる」は、むしろ逆
高気密住宅で空気がこもると言われるのは、気密が高いからではなく、換気計画が伴っていないからです。実際には話が逆で、隙間だらけの家では、換気扇を回しても近くの隙間から空気が入って短絡してしまい、部屋の奥の空気が入れ替わりません。
気密が高い家ほど、給気口から入って排気口へ抜ける「計画換気」が設計通りに機能します。C値0.5以下という数値は、換気を正しく効かせるための前提条件だとお考えください。
全熱交換型24時間換気という選択
クラフティアが採用しているのは、全熱交換型の24時間換気システムです。一般的な第3種換気(自然給気+機械排気)と比べたときの違いは次の通りです。
| 第3種換気 | 全熱交換型(第1種) | |
|---|---|---|
| 給気 | 自然給気口から | 機械で給気 |
| 熱の扱い | 外気温がそのまま入る | 排気の熱と湿度を回収して給気に移す |
| 冬の給気 | 冷たい空気が入る | 室温に近づけて給気 |
| 乾燥 | しやすい | 湿度も回収するため緩和される |
| コスト | 安い | 本体・メンテナンスコストがかかる |
「高気密住宅は乾燥する」というデメリットは、全熱交換型を選ぶことで大きく緩和できます。熱を捨てずに空気だけ入れ替えられるため、冬の給気で室温が下がりにくいのも利点です。
内部結露を防ぐという、もう一つの役割
壁の内部で発生する結露(内部結露)は、断熱材の性能を落とし、構造材を傷める原因になります。しかも壁の中で起きるため、住まい手が気づいたときには進行しています。適切な断熱・気密・通気の設計をセットで行うことは、快適性だけでなく住まいの寿命を守ることに直結しています。
カタログ値と実測値の違い|全棟気密測定という考え方
UA値は設計段階で計算できますが、C値は完成した建物を実際に測らなければ分かりません。ここが、性能を比較するうえで最も大切なポイントです。
気密性能は、断熱材の入れ方、配管まわりの処理、コンセントボックスの気密処理、サッシの取り付け精度——現場の一つひとつの作業の積み重ねで決まります。同じ図面・同じ材料でも、施工する人によって結果が変わる。だからこそ、「設計上はC値0.5です」という説明には、実は根拠がありません。
クラフティアの気密測定
クラフティアは全棟で気密測定を実施し、C値0.5以下をお約束しています。あわせて、壁やボードで覆われる前の構造段階で「中間気密測定」を行っています。
- 中間気密測定:仕上げ材で隠れる前に測ることで、気密処理が不十分な箇所を特定し、その場で手直しできる
- 完成時測定:最終的な性能を数値で確認し、お客様にお渡しする
完成後に測って数値が出なかったとしても、壁を壊さない限り直せません。測るタイミングを工程に組み込んでいるかどうかが、実際に性能が出るかどうかの分かれ目です。
工務店選びで聞いておきたい3つの質問
- 気密測定は全棟で実施していますか?(オプション/希望者のみ、ではありませんか)
- 測定はいつ行いますか?(完成時だけですか、中間でも測りますか)
- 直近に建てた住宅の実測C値の平均はいくつですか?
この3つに具体的な数字で答えられる会社であれば、性能について現場まで理解が行き届いていると考えてよいと思います。
よくある質問
Q. 高気密・高断熱にすると、建築費はどのくらい上がりますか?
A. 断熱材のグレード、サッシの種類、換気システムの方式によって変わります。ただし、上がるのは初期費用だけで、光熱費は住み続ける限り毎月かかります。クラフティアでは住居費・教育費・老後費という人生の3大支出をシミュレーションしたうえで、光熱費まで含めた資金計画をご提案しています。
Q. 高気密住宅では、石油ストーブは使えませんか?
A. 開放型の石油・ガスストーブ(排気を室内に出すタイプ)は推奨できません。燃焼ガスと水蒸気が室内に放出されるためです。ただし、高断熱・高気密の住まいではエアコン1〜2台で家全体をまかなえることが多く、そもそも大きな暖房器具の必要性が下がります。
Q. UA値0.49以下とC値0.5以下は、どのくらいの水準ですか?
A. UA値0.49は、6地域における省エネ基準(0.87以下)およびZEH基準(0.60以下)を大きく上回る水準です。C値0.5以下は、そもそも法的な基準がないなかで、実測して達成している住宅は限られます。いずれもクラフティアの標準仕様です。
Q. 換気システムのメンテナンスは大変ですか?
A. フィルター清掃・交換が定期的に必要です。クラフティアは定期点検で状態を確認し、お手入れの方法もお引き渡し時にご説明しています。最長60年の保証体制と24時間365日のサポートデスクで、住み始めてからも伴走します。
Q. リフォームで気密性能を上げることはできますか?
A. 部分的な改善は可能ですが、新築時に確保するほうが確実で費用対効果も高くなります。窓の交換や断熱改修など、既存住宅でできる工事についてもご相談いただけます。
まとめ|数字は、比べるためではなく暮らすためにある
- 高気密・高断熱のデメリットとされる「換気不足」「乾燥」の多くは、換気計画で解決できる
- UA値は断熱性、C値は気密性の指標。どちらも小さいほど高性能で、両方そろって効く
- 岡山は6地域。温暖でも夏の暑さと家の中の温度差の観点から、性能は効いてくる
- UA値は設計で計算できるが、C値は測らないと分からない
- だからこそ、全棟実測しているかどうかが工務店選びの分かれ目になる
クラフティアは、岡山・玉野で30年以上家づくりを続けてきたシモミ建設の新ブランドです。UA値0.49以下・C値0.5以下を標準仕様とし、全棟で気密測定を実施しています。大工出身の代表がすべての現場を確認し、顔の見える自社大工が施工します。
数字の話は、実際の空気を体感していただくのが一番早いと思っています。完成見学会や無料個別相談で、ぜひその違いを確かめにいらしてください。